◎…県下有数の西条柿の産地・津山市加茂地区で、つるし柿作りが最盛期。軒下に玉すだれのように連なる鮮やかなオレンジ色が、山里の風景を彩っている。
◎…加茂町楢井の農業・武元三好さん(87)と美重子さん(87)夫妻は、先月収穫した1個1個の皮を丁寧にむいて10個ずつひもに取り付け。日当たりの良い場所に約240連、2400個をつるした。束ねたわらで表面を軽くこすって傷つけると、白い粉が噴き、甘さが増しておいしく仕上がるという。
◎…かつてはよく見かけた晩秋の風物詩だが、高齢化などで生産者は減っている。「年齢的にいつまで作ることができるか分からないけど、加茂の伝統を守りたい」と美重子さん。「雨が降ったらビニールシートで覆うなど手間がかかりますが、その分、良質な干し柿になる」と作業に励む。自然の甘みを凝縮した干し柿は12月に入って完成するという。
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農家の軒下を彩るつるし柿=加茂町楢井で