「日本の棚田百選」 の一つ、 岡山県久米郡美咲町の大垪和西地区の棚田で稲刈りが本格化し、 山あいに響くコンバインのエンジン音がひと足早い秋の訪れを告げている。
地元の農業・北山昇さん方では4月末から5月初めに植えた 「あきたこまち」 がこうべを垂れ、 23日から刈り取りを開始。 北山さんの娘婿で町内に住む鈴鹿昭宏さん(59)家族が厳しい残暑の中、 作業に励む。
今年は鈴鹿さんの長男・裕之さん(32)が初めてコンバインを操縦し、 一面黄金色に実った稲穂を刈り取った。 山から流れる天然水の栄養をたっぷり含んで、 おいしい“棚田米”に仕上がったという。
鈴鹿さんは 「梅雨明け後の暑さの影響が心配されたが、 実の入りは例年通り良さそう。 来年は地域の人の田んぼを請け負って作付面積が増えるので、 家族で頑張りたい」。 妻の美紀恵さん(61)とともに美しい棚田を守る思いを強くする。
標高約400メートルの山あいに大小約750枚の田が広がる同地区は、 農林水産省の 「つなぐ棚田遺産」 にも選定。 稲刈りは今月いっぱい続く。
