岡山県真庭郡新庄村に移住した「農民レスラー」夫婦こと、農業を営む現役プロレスラーの関根龍一さんと津山市出身の元プロレスラー・天満のどかさんが企画した「がいせん桜プロレス」が14日、同村で開かれ、咲き誇る桜を背景に男女総勢24人のレスラーが激闘を繰り広げ、多くのファンや地域住民らを沸かせた。
観光客でにぎわうがいせん桜通りにリングを構え、プロレスリングBASARA(木髙イサミ代表)と東京女子プロレスの試合を実施。関根さんをはじめ、「爆れつシスターズ」として天満さんとタッグを組んでいた妹の愛野ユキさん、倉敷市出身の中野貴人さんと県に縁のある人が集う中、女子プロレス(女子プロ)界のレジェンド・アジャコングさんら猛者も参戦した。
男子の部で関根さんは木髙代表と対戦。鋭いけり技などを繰り出して勇猛果敢に戦うも、垂直落下式ブレーンバスターと片エビ固めで身動きが取れなくなり、惜しくも敗れた。続く、女子プロで愛野さんは中島翔子さんとタッグを組んでアジャコングさんとらくさんペアに挑戦。屈強な相手に苦戦する中、アクロバティックな投げ技や打撃技で巻き返し、最後は得意技「UBV」でフィニッシュを決めた。
試合の途中で選手たちが場外に飛び出して乱闘するほか、天満さんが飛び入りして妹を助けるなど、手に汗を握る展開も見られ、観客たちはステージに終始釘付けだった。美作市から来た小学生・入澤和成くん(8)と妹の倫子さん(6)は「すごい迫力で楽しかった。選手が近くに来た時はうれしかった」「握手してもらえてよかった」と笑顔で話していた。
天満さんは「観客のみなさんの笑顔が見られ、うれしく思う。次の目標に向かって頑張りたい」。関根さんは「たくさんの人に力になってもらい感謝している。次はもっとおもしろいことができるようにしたい」、アジャコングさんは「地方が元気になることは日本を活気づけることにもつながり、やりがいを感じている。また来たい」と語っている。