スペインバルセロナで活躍した画家で版画家のルイス・ペッサさん(1929~2024)のオマージュ展が岡山県津山市の保田扶佐子美術館で開かれている。青年期から晩年までの独創的な絵画や版画が並び、その画業や個性的な人柄を伝えている。30日まで。
ヨーロッパの伝統的な版画手法に精通し、独自技法を持った「カタルーニャの異才」と称される。ペッサさんからバルセロナで版画を学んだ抽象画家で版画家の保田扶佐子さん(82)=同所=が、下現地から持ち帰った油彩やリトグラフ、オブジェなど計約60点を公開した。
カタルーニャの夜明けをモチーフにした生命力あふれる油彩や、女性の後ろ姿を繊細な筆致で表現したリトグラフをはじめ、アーモンドを虫に見立てて添えた自画像、木の根で手がけたオブジェが並ぶ。保田さんの写真を貼ったコラージュや、愛用の制作道具、収集していた絵葉書なども飾られている。
会場ではバルセロナの美術学校で石版を制作する姿を収めた映像も上映している。
収集家な一面も持っていたと振り返る保田さんは「お金や物がなくても豊かな人生を送っていた。彼の芸術に対する真剣さ、無邪気で遊び心あふれた世界を楽しんでほしい」と話している。
入場無料。午前10時~午後5時。
