人通りもまばらな津山市中心市街地のソシオ一番街の昼どき。通行人らが足を止めて店頭販売の弁当をのぞき込み、買い求めている。口コミで広がり人気を集め、静かな商店街に「ありがとうございます」の声が響いている。
「完全に三密を避けた上で僕たちの食事を楽しんでいただける方法としてたどりつきました」。そう話すのはソシオ一番街の鉄板食堂りべるたぁぱんだ店主・安達晶啓さん(33)と本町2丁目の吟月店主・大久保次郎さん(41)。
2店は共同で昨年10月末からりべるたぁぱんだ前で月、金曜の週2回(午前11時〜午後2時)、弁当の店頭販売を行っている。ソシオ一番街のスザンナ(水曜日に店内販売)も2月からその輪に加わる。
「今が一番人がいない。今が一番苦しい」2人はそう口をそろえる。昨年4月の緊急事態宣言の時期を乗り切り、わずかながら客足が戻りかけていたところ、10月末の津山市の感染・クラスター対策強化宣言以降、商店街の人通りはほとんどなくなってしまったという。
店を出して5年目だという安達さんは「やっと軌道に乗り始めたばかりだった。一人ではきついが、大久保さんや他の商店街の人も声をかけてくれる」と話す。祖母が経営していたお茶漬け屋の店名を引き継ぎ2016年に開業した大久保さん。「背中の押し合い。仲間がいるから頑張れる」。
りべるたぁぱんだの店頭販売メニューは、冷めてもおいしく食べられるように工夫したメンチカツのり弁とすきやき弁。吟月は食感にこだわったふわふわのつくね弁。
「お客さんが喜んでくれるとうれしい。サービス業の原点に戻ったような感じ。コロナが明けたら、お弁当を楽しんでくれたお客さんが、お店にも来てくれたらうれしいですね」
問い合わせは、りべるたぁぱんだ(☎328228)。吟月(☎313633)。
写真
弁当の店頭販売を行う大久保さん(右)と安達さん
ソシオ一番街で弁当の店頭販売
- 2021年1月27日
- 食関連