ダウン症のピアニスト・川嶋絢さん=志戸部=が34歳を迎えたのを記念した「Aya,sサンクスコンサート」が29日、岡山県勝田郡奈義町豊沢の町文化センターで開かれ、来場者たちは優しく穏やかな旋律に聴き入った。
誕生日を過ぎてひとまわり成長したのを機に、日ごろ応援してくれる人たちへの感謝の気持ちを込めて開催する恒例のコンサート。5回目となる今回は、岡山市を中心に活動するフルート奏者の宮尾紀子さんと三尾奈緒子さんがゲスト出演し、18曲を披露した。
初めに川嶋さんは、ソロでモーツァルト作曲の「幻想曲」のほか、「夕焼け小焼け」などの唱歌や童謡を弾き、その後宮尾さんと三尾さんも加わってドヴォルザーク作曲の「ユーモレスク」や映画「美女と野獣」のテーマ曲などを合奏。観客たちは会場を包み込むしっとりとした音色に浸り、最後の演奏が終わった後は大きな拍手を送った。
知り合いで応援に駆け付けたという中山恭子さん(66)=沼=は「とても心地よく、別世界にいるように感じた。日々練習を積んで音に磨きがかかっていると思う。成長している姿が見られてうれしい」。川嶋さんは「緊張したけど最後までうまく弾けて楽しかった。次のコンサートも頑張る」と話していた。
同演奏会には、協賛している奈義町の児童発達支援・放課後等デイサービス「湧気自然塾」の通所する小中学生、高校生も参加し、みんなで協力して仕上げた絵を会場に展示。作品を見た来場者はそれぞれの得意分野を生かしながら活躍する障害者の姿に感心していた。
