帝国データバンクによると、岡山県真庭市の湯原温泉を中心にホテルや旅館などを運営するトラベルシリウス(同所、池田博昭社長)が1日、岡山地裁に民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けた。負債総額は約5億6000万円。新型コロナウイルスに関連した倒産は県内で初めてという。
同社は1978年創業。湯原温泉街で、ゆばらの宿「米屋」、湯原国際観光ホテル「菊之湯」、旅館「菊乃家」などを運営。市から受託した指定管理施設として、「ホテル蒜山ヒルズ」「蒜山青少年研修センター」なども手がけた。
一般個人や企業、団体などの多様なニーズに対応し、2015年には年収入高約8億7000万円を計上。しかしその後は同業者との宿泊価格の競合激化も伴って主力施設の宿泊者数が伸び悩んだほか、西日本豪雨災害により予約のキャンセルが相次いだ。2月以降は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて宿泊客が大幅に減少したことから急速に資金繰りが悪化、自主再建を断念した。
今後、ゆばらの宿「米屋」と湯原国際観光ホテル「菊之湯」の運営を続ける方針で、10日に同ホテルで債権者説明会を開く予定という。
トラベルシリウス、岡山地裁に民事再生法の適用を申請/岡山・真庭市