世界的に活躍する彫刻家・画家の武藤順九さん(73)=岡山県津山市昭和町=による石彫「風の舞―Dance of Wind―」が今年秋、日本とペルーの国交150周年記念モニュメントとしてペルー国内に設置されることになった。同記念事業の一環として29日から城西浪漫館(同市田町)で開く個展に、縮小サイズの同作品が出展される。
風の舞は2012年、イタリア・ピエトラサンタの工房で制作し、大理石で台座を含めた高さ165㌢、幅138㌢、奥行き58㌢、重さ約3㌧。広げた羽根を思わせる優美な造形が、生命感と素材らしからぬ軽やかさを醸す。今は東京都昭島市の「武藤順九彫刻園」で保管中。
ペルー大使館が、武藤さんの活動を支援する一般社団法人「風の環」(京都市)による譲渡の提案に賛同。ライフワークとしてこれまでバチカン市国のローマ法王公邸やインド・ブッダガヤのマハボディ大寺院(世界遺産)、米国ワイオミング州のデビルス・タワー国立公園などに設置されている「世界の風の環プロジェクト」の第8作目となる。
贈呈式は9月18日、津山文化センターで行われることが決まり、駐日ペルー大使と外務省関係者が来津予定。
2年ぶりとなる市内での展覧会(29日〜5月末)には、5分の2サイズ風の舞をはじめ、表裏が交錯するメビウスの輪を基にした「風の環―CIRCLE WIND―」など世界プロジェクト歴代の縮小サイズ作をメインに、ネオフレスコ画、墨絵、石に描いた「石彩」など数十点を出展。ペルー記念事業諸費用の募金協力も呼び掛ける。
武藤さんは「ペルーというプレインカの地に、生命の賛歌をテーマにした私の彫刻が設置されるのは感慨深い。浪漫館では風の環プロジェクト歴代作のエッセンスにふれてほしい」と話している。