「レインボー」の愛称で28年間にわたり親しまれてきた岡山県津山市の久米総合文化運動公園市民プールのリニューアルについて、大きな柱である「公認取得」がそ上に載り、13日の津山市議会の総務文教委員会で、同プールの一般会計当初予算案の事業の削除を求める修正案が可決された。19日の本会議で諮られる。
主な争点は新市民プールへの公認プール基準(日本水泳連盟国内一般・A)の付加。今定例市議会一般質問でも最も多くの質問が集中した。財政難にあえぐなか、新市民プールは公認機能付加により跳ね上がる、総工費21億円というコストに見合うかどうか。公認機能がない場合のリニューアルは約16億円の試算を示している。
執行部は、15年で約51億円とする経済波及効果調査結果や、利用者数見込などを示した。これに対し、「人口減少と言われているのに、公認25メートルプールを作れば右肩上がりで利用者が増え続けるというのは理解できない」(丸尾勝議員)。9日に総務文教委員会が開いた市民との意見交換会では水泳関係者から、年6回大会を誘致するとした試算は「現実的ではない」などと厳しい批判が寄せられた。
一方、「新たな公認プールが、本市が短水路水泳競技の重要な拠点と位置付けられ、記録保持者やオリンピック選手が輩出されるようになれば、自然と市民全体の水泳熱が高まり、プール利用者や交流人口なども増大するはず」(未来代表質問・上山春洋議員)などと期待する声もあった。
谷口圭三市長は「公認プール機能は、本市の拠点性を高め、市内外の多様なニーズへの対応や他地域との差別化を図ることができる。大会・合宿の誘致などにより交流人口を増加させ利用促進につなげていくためには、とても重要な機能」と強調。
久米市民プールの整合性について「多くの住民から負託された市議会での三度の請願採択を重視し、市民・利用者アンケート調査、基本計画策定委員会からの意見書、付属機関であるスポーツ審議会からの答申などにより、幅広く多くの住民から意見を頂いた。多くの地域住民に利用いただくとともに、運営事業者や地元と連携した不断に努力により、市外からの利用者を確保できるよう取り組んでいく」と述べた。