元内閣総理大臣の石破茂氏が23日、岡山県津山市東新町の津山鶴山ホテルで講演し、ローカル線の存続を巡る議論について「地方創生は単なる地域振興ではなく、国家の持続可能性そのものの問題だ」と強調した。
「JR地方ローカル線の未来を開く政策と地域活性化」と題した講演で石破氏は、日本の人口が将来大幅に減少するとの見通しを示した上で、東京一極集中が少子化の要因になっていると指摘し「このままでは国そのものが持続できなくなる」と述べた。地方の活力維持が国家の課題だと認識を語った。
鉄道政策については、国の鉄道予算が約2550億円で、その多くが新幹線整備に充てられる一方、道路予算は約5兆円規模に上ると説明し、「鉄道だけがインフラ整備を事業者負担としているのは公平ではない」と述べた。欧州では鉄道インフラを公的負担とする仕組みが一般的だとし、日本でも制度見直しの必要性に言及した。
また高齢化の進展や環境対策、観光振興の観点からも鉄道の役割は重要だとし、芸備線、姫新線、因美線の存続は地域課題にとどまらず「日本の国のあり方に直結する問題だ」と話した。
津山地域については、鉄道遺産や歴史、食文化など多様な地域資源が集積している点にふれ「鉄道と地域の文化や魅力を一体で発信し、国内外から人を呼び込むことが重要だ」と述べた。
最後に「地方が良くなることは日本の国のあり方そのものに関わる。この地域から新しい日本をつくる責任を共有したい」と呼びかけた。
講演会はJR芸備線・姫新線・因美線の利用促進と存続をめざす議会議員連盟(会長・藤澤正則新見市議会議長)が主催し、沿線自治体関係者や一般市民ら約120人が参加した。
