「それぞれの景 写真・木版画・陶芸4人展」が岡山県勝田郡勝央町勝間田の勝央美術文学館で開かれ、味わい深い作品に来場者が見入っている。30日まで。
写真家の柴田れいこさん(75)=太田=と西浦宏己さん(88)=真庭市上市瀬=、版画家・藤井みつるさん(74)=美咲町周佐=、陶芸家・黒住泰久さん(76)=瀬戸内市=が近作計約70点を出展。
柴田さんの作は高齢女性のポートレートで、画家やフラワーアレンジ作家、報道カメラマンといったライフワークがにじむりんとした表情のカットが印象的。西浦さんは大判フィルムをペンライトで感光させ、パソコンで加工したグラフィックスで、躍動的な光の軌跡が面白い。
藤井さんの木版画は、重ねた同系色の微妙な諧調が美しいヤマブドウやスイセン、背景の流水を版木の木目で表現したヒガンバナも目を引く。黒住さんは、コロナ禍の混とんとした世界をイメージしたオブジェ、ユニークな造形の花入れやフグの一輪挿し、ワインカップなど。
藤井さんは「縁あって出会った、ジャンルもテーマも異なる4人それぞれの表現に注目ながら見てもらえたら」と話している。