岡山県の調査によると、ツキノワグマのえさとなる堅果(ドングリ)類は今秋、奥山のブナが並作でミズナラが凶作、里山に多いコナラは並作という。ただ岡山県内のクマは増加傾向にあり、冬眠に備えて荒食いするこれから11月にかけて盛んに活動するため、注意を喚起している。
出没予測のための豊凶調査として例年9月上旬から中旬、岡山県の津山地域と勝英地域の山計35地点で実施。専門調査員が目安とする供試木10本の結実数を目視でカウントし、過去のデータと比べて判定しており、山域によるばらつきはあるものの、ミズナラを除いて平均的な実りとみられる。
県内のツキノワグマの推定生息数は、2023年当初時点で前年比6.3%増の859頭(中央値)に上る。今年寄せられている出没情報は9月末現在、51件(昨年同期75件)。人身被害防止の取り組みとして、有害捕獲や誘引物の除去(不要果樹の伐採など)、専門指導員による出没対応や対策指導などを推進。
県自然環境課では「脂肪を蓄えるためにより多くのえさを求めて活動する時期になっており、登山やキノコ採りで生息域に入る際は鈴、ラジオなどで存在を知らせるといった対策をとってほしい」としている。