落語家の桂そうばさんらによる出前教室「こども寄席」が10日、岡山県真庭市鍋屋の国指定重要文化財・旧遷喬尋常小学校で開かれ、地元の小学生が落語の魅力にふれた。
遷喬小学校6年生72人が参加。そうばさんと桂天吾さんが、顔の向きで登場人物を演じ分ける表現方法や、扇子と手ぬぐいを使う基本の仕草などについて実践しながら解説した。
人が無意識に必ず行う表情や目線について説明し、「細かく表現することで観客に場面を想像してもらう」と話し、言葉遊びが楽しい小噺や落語家が登場する時に演奏する出囃子を披露した。
続いて子どもたちが寄席に挑戦。道具の使い方や目線についてアドバイスをもらいながら、幽霊の登場やうどん屋で麺をすするシーンを臨場感たっぷりにやり切り、大きな拍手が送られた。この後そうばさんらが落語を披露し、子どもたちは前のめりになりながら見入っていた。
後安志善さん(11)は「舞台で仕草を表現するのは難しかったけれど楽しかった。生の落語は迫力があって、また見てみたい」と話していた。
同所であった公演会「久世南光亭」に合わせ、子どもたちに芸術作品にふれてもらう事業として市が昨年に続き実施した。