岡山県津山市加茂町小中原出身の絵本作家・といよしひこさん(43)=大阪市在住、本名・都井佳彦=の新作『かみさま、いっしょうのおねがい!』の出版を記念したトークイベントが6日、津山市新魚町の市立図書館で開かれ、市内外から集まったファンら約50人が完成に至るまでの秘話に耳を傾けた。
物語は困り事が発生する度に「救ってほしい」と神頼みをする小学生の男の子を主人公にしたユニークな内容。家族がピンチに遭遇したことで自分のことばかり考えていた少年の心が変わり、成長していく様子を描いている。
といさんは「自身の力が及ばない出来事に遭った時、何度も神様に助けを求めていた子どものころを思い出しながら作った」と打ち明け、小学生の時によく腹痛に見舞われたという経験を元に話を膨らませるなど構想に10年をかけたことや、仕上げるまでに編集者との綿密な打ち合わせをして修正したことなどを話した。
さらに、スクリーンに挿絵を映しながら、背景の町並みは加茂町がモデルになっていることや、息子から話を聞くなどして小学校内の様子を描いて現実味のあるように仕上げていったエピソードも語り、最後に「作品を見た人たちから『共感した』という言葉をいただき、うれしく思っている」と喜びを述べていた。この後、サイン会も開かれた。
以前開催したトークイベントにも参加したという一宮小学校5年・妹尾奏さんは「おもしろい話が聴けて楽しかった。といさんの絵本はほかに無い独特のかわいさがあって気に入っている。応援していきたい」と話していた。
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