日本との国交150周年を記念してペルーに設置される、世界的彫刻家・画家の武藤順九さん(73)=岡山県津山市昭和町=による大理石彫刻「風の舞」の贈呈セレモニーが18日、津山文化センター=津山市山下=で行われ、両国関係者や市民ら約500人が「風の環ワールドプロジェクト」8作目の旅立ちを祝った。
市民有志の実行委が主催し、西側入り口前での除幕式にはロベルト・セミナリオ駐日ペルー大使、外務省関係者らが出席。神事に続き、翼を思わせる優美な造形に生命の賛歌、平和への願いを込めた「風の舞―Dance of Wind―」が披露され、伊原木隆太岡山県知事の音頭で祝杯を挙げた。
生中継をスクリーンに映した大ホールでは、舞踊集団・宮坂流の独創的な演舞でセレモニーが幕を開け、市出身の元外務省大使・堀江正彦さんが「文化や経済でも深い結びつきのある両国の関係が一層発展することを願う」とあいさつ。
一般社団法人「風の環」の武藤典子理事長から目録を受け取ったセミナリオ大使は「彫刻はこの美しいまちから1万5000キロを旅し、両国の平和と友好の新たなシンボルとなることでしょう」と述べ、観衆から大きな拍手が送られた。
作曲家・ピアニストのコーニッシュさんが風の舞をイメージしたオリジナル曲を演奏した後、武藤さんが「古き良き日本の残る津山の地で、記念すべきセレモニーができたことを誇りに思い、協力してくれた多くの方に心から感謝する」とあいさつし、再び拍手に包まれた。
岡本真理子さん(73)=岡山県津山市=は「偉大なアーティストのおかげで特別な国際事業が行われ、とても誇らしい。彫刻は命のはばたきを感じさせる美しい作品」と感激した様子で話した。
風の舞は、同センターで1週間程度限定公開した後、本年度中に現地へ移送され、国立公園内に設置される予定。