岡山県真庭市蒜山地方で古くから受け継がれている盆踊り「大宮踊」(国重要無形民俗文化財)が15日、蒜山中福田の福田神社で行われ、住民らが子孫繁栄や豊作を願う踊りの輪を広げた。
浴衣姿の家族連れや帰省客らが、「シリゲ」と呼ばれる切り絵細工が飾られた大灯籠を囲んで、しなやかな手の動作で優美に踊った。
大宮踊保存会メンバーたちの「ウワハンヨウ」という独特の言い回しが入る音頭と太鼓の音に合わせて、優雅に舞う「あおい」、歯切れのよいテンポの「しっし」などを披露。終盤に近づくと、仮装した「てんこ」と呼ばれる踊り手たちが輪に加わり、参加者は風情あふれる古里の伝統文化を楽しんだ。
この日は踊りを前に「ひるぜん花火大会」が行われ、県北では珍しい尺玉(10号玉)を含む約700発が夜空を彩った。
大宮踊は県下三大踊りの一つで、2022年には「風流踊」としてユネスコの無形文化遺産に登録された。19日まで蒜山地区の神社や寺などで行われる。
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