江戸時代から伝わる「横仙歌舞伎」(県重要無形民俗文化財)の大公演(町、町教委主催)が23、24の両日、岡山県勝田郡奈義町豊沢の町文化センターで開かれ、町内外から訪れた愛好者ら延べ約750人が地下芝居の魅力を堪能した。
同歌舞伎保存会をはじめ6団体が出演し、皮切りは地元の広野こども歌舞伎教室による「弁天娘女男白浪稲生川勢揃いの場」。三味線の軽快な音色にのせ、日本駄右衛門率いる5人の盗賊と捕り手の立ち回りを演じ、客席を沸かせた。
続いて、粟井春日歌舞伎保存会による「ひらかな盛衰記源太勘当の場」を上演。源平合戦での逸話の多い宇治川合戦のスピンオフ作品とも言える一幕を熱演し、人間模様を楽しませた。この後、歌舞鼓音座による和太鼓演奏も行われ好評を博した。
岡山市から俳句仲間と訪れた伴明子さん(72)は「初めて来ることができたが迫力があって感激。生演奏や子どもの声もいいですね。来年もぜひ来たい」と顔をほころばせた。
千秋楽は「森の芸術祭 晴れの国・岡山」のオープニングを飾った森山未來さん企画「さんぶたろう祭り」で披露された「墨染鬼 三穂太郎譚」などが舞台を盛り上げた。