地下芝居の魅力を堪能 市重要民俗文化財 「粟井春日歌舞伎」/岡山・美作市

芸術 源平咲分牡丹を披露する同歌舞伎保存会のメンバー=岡山県美作市で
源平咲分牡丹を披露する同歌舞伎保存会のメンバー=岡山県美作市で
         

 岡山県美作市粟井地区に江戸時代から伝わる「粟井春日歌舞伎」(市重要民俗文化財)が12日、同市粟井中の芝居小屋「春日座」で開かれ、地域住民や市内外から訪れた愛好者らが地下芝居の魅力を堪能した。

 春日神社(同)の秋祭りで奉納する恒例の行事。今回は地区住民らでつくる同歌舞伎保存会と地元の小中学生ら計27人が出演し、初めに子どもたちが演目「三番叟」を披露。三味線の演奏に合わせて、大人顔負けの舞いを見せて観客を魅了した。

 続いて保存会メンバーが、平安時代末期の源平合戦を背景に平家の武将・藤原景清(平景清)をモデルにした主人公らの人間模様を描く「源平咲分牡丹 重忠館の段」を上演。源頼朝の重臣・畠山重忠に捕らえられた平清盛の孫・六代君を救おうとする景清と妹・奥芝の決意と葛藤、景清と重忠の問答、終盤の見せ場となる「壇ノ浦の戦い」で繰り広げられた景清と敵将との一騎打ちなどを情感豊かに演じ、観客から大きな拍手が送られた。

 姫路市から帰省中の坂口人美さん(68)は「役者のみなさんの演技が上手で本格的になってきている。故郷の歌舞伎は地区の住民や出身者の誇りなのでずっと続いてほしい」。今回「三番叟」に出演した五味森花さん(13)=作東中1年=は「衣装やメイクの担当、楽器の奏者をはじめ、たくさんの人が関わって一つの舞台を作り上げるのは本当にすごいこと。多くの人に見てもらえてうれしい」と話した。

子どもたちが舞を披露した三番叟
子どもたちが舞を披露した三番叟


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