岡山県重要無形民俗文化財・横仙歌舞伎の四季の公演「春」(同歌舞伎保存会主催)が29日、勝田郡奈義町中島東の松神神社で開かれた。江戸時代から伝わる伝統の地下芝居が、境内を埋めた町内外のファン約300人を魅了した。
皮切りは同保存会の「源九郎狐と初音の鼓」。「義経千本桜」を元にした、幽玄な物語が繰り広げられ、客席を沸かせた。
続いて住民有志の「中島東松神座」が「玉藻前旭袂三段目道春館の段」を上演。人間の葛藤に焦点を当てた愛憎劇の緊張感あふれるやり取りに、掛け声や拍手が起こり、アマチュアカメラマンが盛んにシャッターを切っていた。