「美作市民大学講座」が6日、岡山県美作市の美作文化センターで始まり、初回は同市出身の大谷健太郎監督(59)が故郷を舞台に制作した映画「風の奏の君へ」の上映会と監督の舞台挨拶(あいさつ)が開かれ、市民ら129人が作品を通じて情景あふれる地元の魅力に触れた。
今まで市内各地域で高齢者を対象に行われていた生涯学習講座を市民全員が参加できるようにして新たに開講。今回は同映画のDVD・ブルーレイの発売を記念して美作市教委と映画関連会社2社が共催して実施し、市民以外も参加した。
映画は同市の作家・あさのあつこさんの小説を原案した物語に加え、県内有数の茶所でもある同市の魅力を県内外に知ってもらおうと天空の茶畑(山外野)をはじめ、旧因幡街道大原宿(古町)など市民の身近にある場所を撮影し、詩情豊かな映像美で映し出している。
放映終了後の舞台挨拶で大谷監督は「1番見てもらいたかったのは美作市の人たち。映画を通して生まれ育った場所の良さに誇りと自信を持ち、次の世代に財産として残してほしい」と呼びかけた。
家族で観賞に来ていた同市後山に住む自営業・大坊和吉さん(71)は「いつも見かける風景が鮮やかに映り、感動した。今まで意識したことが無かったその美しさに気付くこともでき、参加してよかったと思う」と話していた。
このほか監督は、岡山県北地域を舞台にした現在進行中の企画「美作の国映画プロジェクト」や津山市で開催する映像俳優ワークショップ「演技塾」についても語り、今後の制作に向けた意欲も見せた。
