昨年10月に設立された地域商社「曲辰(かねたつ)」の社長が辞任届を提出している問題で、14日は登壇した5議員のうち3人が質問した。「株主から辞任要請があった」と報道されたことについて、市側は「辞任要請の件は承知していない」と改めて説明。「社長の後任の内諾が得られている」ことを明らかにしたが、原因や経緯について明確な答弁はなく、議論は煮え切らない感だ。
「中心的株主として事態をどう受け止めているか」と問われた谷口市長は「本人からの辞任届の提出であり、市としては意思を尊重したい」と答えた。「一連の経緯の詳細を」に市側は「社長から4月22日に辞任届が提出され、曲辰で預かっている状態。会社法の規定により、取締役の法定数を下回る登記ができないため、届を保留している」。提出に至るいきさつにはふれず、疑問を残した形だ。
新体制について市側は「現在調整に努めており、来月のできるだけ早い時期に株主総会など所定の手続きを経て公表したい」と説明。今後の展望として市長は「外部とのネットワークを含めた組織の強化など、体制を充実した曲辰を機能させることで農業生産者の所得の向上を実現し、地域の農業を持続可能で強い産業にしていきたい」と述べた。
曲辰は公的資金が投入されている株式会社であり、1回目の決算すら迎えていない中での突然の辞任。建て直しを図る前に問題を整理し、市民が納得できる説明をすべきだ。
地域商社社長辞任問題 市議会で質疑