地域商社社長辞任問題 市議会で質問

行政・公共 津山市役所
         

 主に市の出資金で設立され、わずか半年ほどで社長が辞任届を提出した地域商社「曲辰(かねたつ)」。今議会で複数の議員が辞任理由、経緯への説明を市に求めているが、「承知していない」の一点張り。釈然としない状況が続くが、いきさつはどうあれ、問題は、期待していた市民が不安を抱く事態に発展したことにある。
 この日は、議員1人が曲辰の取締役を務める担当部長に改めて経緯を質問した上で、設立を呼びかけた谷口市長には、「事業にかける熱意が感じられない」と指摘。「組織のトップとしての責務を認識し、リーダーシップを発揮してほしい」と注文をつけた。
 谷口市長は、熱意が感じられないという指摘に対し、「そんなことはない。地域商社を成功させることが大事だと思っており、事業を継続し、生産者の所得向上につなげられるよう努めることが私の責務と考えている」と反論した。
 曲辰は昨年10月、市などが、津山圏域の農業ビジネスモデルを確立し、作物の販路を拡大する目的で資本金6000万円を出資して設立した。
 議員たちがこの問題への説明を求めるのは、社長辞任が早過ぎるのに加え、市が筆頭株主なのにも関わらず、辞任理由を「承知していない」のが腑に落ちないからだ。社長本人が「株主から辞任要請があった」と話したことと整合性がとれないのも疑問を感じる要因となっている。
 生産者らは現在の状況をどう受け止めるだろうか。市は、目標に掲げている「持続可能で強い農業の実現」に向け、いま一度現状と課題を整理し、市民とともに、より強固な組織体制づくりを見据えて再出発することが求められている。


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