城西浪漫館、コーヒーカンで珈琲提供

食関連 城西浪漫館、コーヒーカンで珈琲提供
         

 まちの駅城西浪漫館(田町)が、「珈琲」の当て字を考えた津山藩医・宇田川榕菴(1798〜1846)が自筆資料に残した煮出し器「コーヒーカン」を使い、初めて往時の抽出法による一杯を再現した。「榕菴珈琲」として館内のカフェで1日から提供を始めた。
 コーヒーの伝来は江戸時代初期、オランダ人が長崎の出島に持ち込んだのが始まりで、コーヒーカンは2層に分かれ、下に加熱用のランプを入れる構造になっている。
 榕菴らが翻訳した当時のフランスの家事百科事典のオランダ語訳本「厚生新編」にある製法を参考に、煮出し器は同館の前の指定管理者が2010年に金属加工業者に特注したステンレス製品(直径11?、高さ38?)を活用。これまでは雰囲気を演出するドリップ容器として使っていたが、今回は挽(ひ)いた豆を上部に入れて熱湯を注ぎ、アルコールランプで沸騰させた後、10分ほど蒸らしてからカップに注いでいる。
 豆も往時と同じインドネシア産の「マンデリン」と「ティピカ」をブレンド。1回2〜4人の注文に応じ、一杯1000円(城西グッズ付)。
 小田中の主婦(51)は「まろやかで苦味や酸味が少ない。ほかで飲んだことのない深い味わい」と話した。
 同館を運営する城西まちづくり協議会の佐々木裕子事務局長は「登録有形文化財のため火を使う時は屋外になるが、その過程も楽しんでもらえたら」とPRしている。

コーヒーカンで煮出し、再現した榕菴珈琲


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