奈義町現代美術館駐車場に設置の石彫 彫刻家・伊藤哲一さん=千葉県館山市により制作中

芸術 半抽象の石彫を滞在制作している伊藤哲一さん
半抽象の石彫を滞在制作している伊藤哲一さん
         

 彫刻家・伊藤哲一さん(48)=千葉県館山市=が岡山県勝田郡奈義町内に先月から滞在し、制作に励んでいる。半抽象の石彫で、3月下旬には完成させて町現代美術館(岡山県勝田郡奈義町豊沢)駐車場に設置する。
 アーティストレジデンスの一環で同町が招へいし、B&G海洋センター艇庫(荒内西)をアトリエに制作。
 那岐山とその森や滝をイメージした造形をコンセプトに、重さ約1・5㌧と約1㌧の黒御影(みかげ)石に向き合い、のみを入れている。
 「木々は人にも思え、森は寄り添いながら生きる家族のようでもある。奈義町で出会う人はみな温かく、人と人との関わりやきずなを感じながら森を形にしている」。
 東京都出身。高校時代に都内で鑑賞した美術系大学の卒業制作展で立体の力強さにひかれ、彫刻家を志した。東京芸術大学、同大学院彫刻専攻を経て、国内各地で精力的に活動を展開。
 「石という素材は自由にならず、制約もある中で自分の表現を彫り上げていく感覚が肌に合い、達成感もある。見る者の想像をかきたてる作風を目指している」と意欲を燃やす。


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