岡山県美作市は16日、2024年度の当初予算案を発表した。一般会計は、24年度に発行期限を迎える合併特例事業債を活用した大型建設事業の予算を計上したため、262億8800万円と、前年度比12.4%増の過去最大の予算額となった。幅広い世代にわたる子育てや福祉、観光施策などを充実させる予算編成。21日開会の3月定例市議会に提案した。
歳入では、市税は大規模太陽光発電設備の減価償却による固定資産税の減などにより、前年度比3.4%減の32億5917万円を見込んでいる。市債は、大型建設事業に充当するための合併特例事業債の起債額の増などにより前年度比55.8%増の66億1290万円。
主な事業は次の通り。
【安全で安心して暮らせる福祉の充実】▽庁舎建設事業35億4448万円▽英語、ベトナム語、中国語に対応した母子手帳配布3万円▽妊婦初回受診上限5000円助成60万円▽産前産後ケアデイサービス事業630万円▽出生児1人に対し5000円の助成など139万円▽あそび場紹介動画制作50万円▽ひとり親家庭など医療費拡大給付394万円▽所得制限により児童扶養手当が全額支給停止となる人に対し、保護者に月額1万円の手当支給728万円▽不妊治療・不育治療支援400万円▽新英田保育園内の地域子育て支援センター設置3208万円。
【地域の魅力を伸ばす教育・文化・芸術の充実】▽新英田保育園の新築整備4億2940万円▽中学校の特別教室への空調機器設置5110万円▽勝田公民館整備3600万円。
【地域産業の活性化と観光振興の充実】▽美作市観光振興協議会を再編し、美作観光局(仮称)の設立3837万円▽中国自動車道美作インターチェンジ南側隣接地への駐車場整備。
【自然豊かな地域環境を活かした魅力ある地域づくり】▽地域おこし協力隊員について、地域への配置に加え、新たに委託により市内企業に配置1億265万円▽農地などの有する多面的機能を維持・発揮するための共同活動を支援する、多面的機能支払交付金制度の有効活用と、中山間地域等直接支払制度の各集落協定の事務軽減を図るための事務受託体制づくり1億4921万円―など。