日に日に秋が深まる中、岡山県内随一の西条柿の産地・津山市で今年の収穫が始まり、生産者が作業に汗を流している。西条柿は中国地方特有の品種で、果実は側面に四条の溝があり、緑がかった淡い橙色で赤みが少ない。柿の中でもトップクラスの糖度を誇るが、元々渋柿のためしぶ抜きし「あわし柿」として出荷され、天日干した「つるし柿」は保存食料としても珍重されている。
市内では23軒の農家が栽培し、県内有数の産地になっている。このうち、約600本の木を育てる立畠勇治さん(72)の果樹園=岡山県津山市=でも27日から収穫が始まった。
立畠さんによると、昨年は「裏年」で不作だったが、今年は実の付きが良く、「豊作」という。1個1個の色づきや実の膨らみを確認しながら、はさみで丁寧に摘み取っている。多い日で1日に約500キロを収穫し、「津山の特産品を多くの人に味わってもらいたい」と立畠さん。
収穫は11月下旬まで行われ、JAを通じて、岡山や関西、広島の市場に出荷される。