岡山県が2024年秋に開催する「森の芸術祭 晴れの国・岡山」の盛り上げに向けたシンポジウム(同実行委主催)が3日、岡山県津山市山下のザ・シロヤマテラス津山別邸で開かれ、県北の観光振興を目指すアートの祭典への思いや波及効果について関係者らが語り合った。
一般来場者を含め約300人が参加し、前半のパネルディスカッションには3人が登壇。実行委会長の伊原木隆太知事は「アートと観光は相性がよく、県北には中国山地の自然や城下町、素晴らしい美術館もある」、建築・デザインを手掛ける和田優輝さんは「アートによって、見慣れた情景が非日常につながっていることを見つける楽しさを感じられたら」と話した。
アートディレクターの長谷川祐子金沢21世紀美術館長は、携わった海外のビエンナーレなどを紹介しながら「県北には知的好奇心を刺激する文化資本が多く、それらの魅力やスピリチュアルな力をアートでどう引き出すか、気づきやインスピレーションを与えてくれる多彩なクリエーターと考えていきたい。楽しみにしてほしい」と呼びかけた。
この後、俳優でダンサーの森山未來さんと長谷川ディレクターがトークセッションし、奈義町で横仙歌舞伎(県重要無形民俗文化財)の稽古を体験した森山さんは「パフォーミングアートとされるコンテンポラリーダンスに取り組み、鑑賞者と出演者の隔たりをなくす試みをしている。農村歌舞伎を折り合わせたパフォーマンスにしていきたいと思う」と抱負を述べた。
同芸術祭(会期9月28日~11月24日)は、継続的なにぎわい創出と周遊型での誘客増を狙う。