美咲町出身で実業家や新聞記者などとして活躍した岸田吟香(1833〜1905)のひ孫にあたる漫画家の岸田尚さん(東京都)が15日、同町と津山市を訪ね、曽祖父の業績にふれるとともに地元顕彰会のメンバーらと交流を深めた。
JR津山線の亀甲駅で「岸田吟香を語り継ぐ会」(加原奎吾会長)のメンバーらに出迎えられた岸田さん。「GTO」で知られる漫画家・藤沢とおるさん(東京都)ら友人グループ10人で、町役場の青野高陽町長を表敬訪問した。吟香と同じ旭地域出身の町長は「卵かけご飯を日本で初めて食べたとされ、今なお町に大きな貢献をしてくれている」と歓迎の言葉を述べた。
続いて、語り継ぐ会の案内で同町西川の岸田吟香記念館へ。岸田さんは春に「岸田吟香肖像画」を寄贈して以来の訪問で、友人たちとともに偉業を伝える数々の資料を見学した。
岸田さんは「緑深いところから江戸に出て、さまざまなことを成し遂げようとした。ひ孫の私が今、同じことをしようと思ったら難しく、改めてすごい人だったと感じた」。藤沢さんも「岸田吟香は多彩な活動をしていたことがよく分かり、ひ孫の絵などの才能に遺伝が続いていることをうれしく感じた」と話した。
一行はこのあと津山洋学資料館を訪ねた。
p
岸田吟香記念館を訪問したひ孫の岸田尚さん(前列右)、友人の藤沢とおるさん(前列中央)