来年は午(うま)年。美作に伝わる神馬(しんめ)をかたどった縁起物の竹細工づくりが、師走を前に岡山県津山市田町の津山民芸社(白石靖さん経営)で進んでいる。やさしく力強い馬の姿に、幸福を呼ぶ願いが込められている。
真竹や篠竹、高野竹を脱脂して染め、細かな部品に仕立てて組み上げる手仕事。イグサのたてがみや麻のしっぽ、錦の鞍(くら)や紅白の手綱などを丁寧にあしらい、優しげな目を描き入れると、素朴であたたかな郷土玩具が形になる。1986年に始まった「干支の竹細工」は4巡目で、大・中・小の3サイズがある。
「みまさかの神馬」のモデルは、中山神社にまつられる鏡作りの神が乗ったとされる神馬。「午年は、思いきって走り込んでみると、景色が明るく変わってきます。飛躍の年になってほしいですね」と白石さん(87)。年内に約350個を仕上げる予定で、注文はFAX0868-23-3311。
