被爆ピアノを通して平和への願いを伝える活動を続けるピアニストのジェイコブ・コーラーさんが、11月15日と16日に岡山県内2か所でコンサートを開く。
15日はベルフォーレ津山で午後1時30分と午後5時30分の2回、16日は笠岡市民会館で午後2時に開演する。
公演では通常のグランドピアノに加え、広島の原爆で被害を受けながら奇跡的に残った「被爆ピアノ」も使用される。調律を手がけるのは、被爆2世の矢川光則さん=広島市=。
矢川さんは1998年、初めて被爆ピアノの修理を託された。爆風で飛び散ったガラス片が突き刺さり、焦げやへこみが残るその姿に「原爆は人だけでなく、ピアノまでも被爆させたのか」と胸を痛めたという。現在、工房には7台の被爆ピアノが保管されている。
コーラーさんは2021年12月、矢川さんの招きで原爆ドーム前に立ち、被爆ピアノを演奏した。「アメリカ人の自分がこの場所で弾くことに葛藤があったが、矢川さんと話して平和への願いを胸に、目の前のピアノに集中しようと思えた」という。その日の一曲目に選んだのは「荒城の月」だった。
「人生の方向を大きく変える経験はそう多くない。被爆ピアノを弾く機会はその一つ。今回のコンサートでは、願いと感謝、そして未来への希望を伝えたい」とコーラーさん。
予定曲は《プレリュード・フォー・ピース―被爆80年への献呈曲》《戦場のメリークリスマス》《荒城の月》《Spain》《ピアノ・マン》など。
入場料6,000円(全席指定)。未就学児の入場は不可。チケットはローソンチケット、チケットぴあ、ヨシダミュージック(津山公演のみ)で販売中。当日学生席2,000円(小学生から大学生まで。高校生以上は学生証提示)。
問い合わせはMIN-ON中国(082-567-0585)まで。
