美作地域に伝わる民話や昔話を語り継ぐ活動を行う「津山語りの会いろりばた」の第30回「昔話を楽しむ会」が1日、岡山県津山市の津山市立図書館で開かれ、怪談や笑い話といった多彩な物語に市民ら48人が聴き入った。
全会員11人が出演。夜道で男がオオカミに付きまとわれる「送りオオカミ」、ニワトリが飼い主の命を救う「鶏の知らせ」、貧困にあえぐ娘らを母親が助ける「大蛇になった母親」、盗人が侵入した家の主と相撲で対戦する「泥棒と相撲」など、身振り手振りを加えながら情感たっぷりな語り口で披露した。
最後に会員たちを指導している岡山民俗学会名誉理事長で、岡山県語りのネットワークの立石憲利名誉会長=総社市、津山市出身=が、過去にお年寄りたちから聴き取った津山、新見、総社市の昔話を紹介した。
高野山西の近藤明生さん(81)は「家族愛など短い話の中にもさまざまなドラマがあり、とてもおもしろかった」と話していた。
第31回は10月開催予定。