空想科学イラストやプラモデルの箱絵など挿絵画家として活躍した小松崎茂さん(1915〜2001)の原画を展示する美術館が2022年12月18日、岡山県美作市湯郷の「あの日のおもちゃ箱
昭和館」向かいにオープンした。昭和の少年たちを夢中にさせた作品を通じて、今を生きる子どもや大人に夢を感じてもらいたいという。
湯郷温泉の活性化につながればと、小松崎さんの長年のファンで親交のあった、昭和館館長の竹中信清さん(81)が開館させた。観光庁の補助金を活用し、同館向かいの空き店舗を改装して原画33点などを並べた。
小松崎さんから直接譲り受けるなどした貴重な作品がずらり。迫力あふれる「戦艦大和」(1962年)、戦闘機「隼の奮戦」(65年)、「キングコング」(67年)、「宇宙戦争」(68年)など、戦後の子どもたちを熱狂させた”小松崎ワールド”が広がる。絶筆となった「大和」の油絵は、珍しい後ろ姿で「さよなら」を言っているようでもある。また、遺品などを使って1980年ごろの小松崎さんのアトリエを再現したコーナーもある。
竹中さんは「小松崎さんは子どもたちに優しく、欲のない人だった」と振り返る。「小松崎さん専門の美術館は全国的にも珍しい。昔、子どもだったお父さんやおじいちゃんにも”あの時”を思い出してもらえれば」と話している。
入場料は中学生以上500円、小学生200円。水曜日休館。
問い合わせは、竹中さん(☎080―6218―4349)。
戦艦大和やキングコング 小松崎茂美術館オープン 美作市湯郷