文化庁交流大使で染色家の時友尚子さん(80)=岡山県美咲町原田=の初のアトリエ展が時友さんの自宅で開かれ、味わい深い染色作品が来場者を魅了している。28日まで。
時友さんは54年前に染色の世界に入り、現在は自宅裏にある工房で自然由来の材料を使った日本古来の手法にこだわりながら、デザインやのり付け、染めといった工程を全て1人でこなしている。
今回は、草木染や糸目木友禅、ローケツ、型染めといったさまざまな技法を組み合わせて創作した約70点を3部屋に展示。
江戸城の景色を繊細に表現した着物、アジサイをモチーフにしたのれん、優しい色合いのタペストリーや染帯など、多彩な作品ずらり。このほか、マレーシアやメキシコなど海外で買い付けたテキスタイルを使った仕覆や名刺入れも並んでいる。
時友さんは「自然の上品さや色の深みの違いを一点一点楽しんでほしい」と話している。