JR東海の東海道・山陽新幹線車内誌『ひととき』5月号に、津山藩御用絵師・鍬形蕙斎(1764―1824)の画業と傑作「江戸一目図屏風」(県重文)が特集で紹介された。
「Tokyo江戸さんぽ」をテーマに「北斎を凌いだ男 蕙斎とゆるカワ絵」と題し、10㌻にわたり特集。
江戸の畳職人の家に生まれ、浮世絵師として頭角を現し1794(寛政6)年、津山松平藩に召し抱えられて異例の出世を遂げたプロフィル、4歳年上だった葛飾北斎との画風の対比を交えながら先駆けた略画技法にもふれている。
さらに1809(文化6)年に描かれた鳥瞰(かん)図「江戸一目図屏風」をクローズアップ。複製のアクリル製屏風が常設されている東京スカイツリー展望デッキ(地上350㍍)からの眺望と対比し、眼下に見下ろす浅草寺から奥に皇居(江戸城)、富士山を望む眺めが200年以上前に空想した絵と見事に重なることをリポートしている。巧みな遠近法の中に日本橋、上野不忍池といった名所をちりばめ、参勤交代の行列や往来する人々の姿までも細密に描写している点も強調。
蕙斎目線での浅草寺参り、あまたの浮世絵師たちが描いた両国橋にまつわる読み物も載せている。
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鍬形蕙斎が特集された東海道・山陽新幹線車内誌『ひととき』5月号
新幹線内雑誌に「江戸一目図屏風」
- 2021年5月22日
- 芸術