岡山県鏡野町と「県農林漁業担い手育成財団」の本年度新規就農者の奨励金交付式が1月30日、同町役場であり、山崎親男町長らが2022〜23年の間に町内で起業、または家業を継承した計3人を激励した。
新規就農者は、大学卒業後に実家の赤木農園(公保田)でブドウや水稲栽培に励み、昨年家族経営協定を結んだ赤木大晋さん(34)、倉敷市の高齢者施設で調理師として働いた後、実家の大谷ぶどう園(同)を引き継いだ大谷透さん(41)、約17年間携わってきた農業機械設計の仕事を退職し、「ふじわらファーム」(下森原)を開設。野菜と大麦の無農薬栽培に取り組む藤原靖彦さん(40)。
山崎町長が目録を3人に手渡し「自給率の低い日本において農業は欠かせない産業で、鏡野町の施策においても一番大事な項目の一つとしている。みなさんの活躍に期待をかけている」。美作広域農業普及センターの原田努所長は「新しい技術の習得、販路の開拓、地域住民らとの関係づくりなど積極的に取り組んでほしい」と励ました。
赤木さんは「地域社会とのつながりを大切にし、地元資源を活用しながら環境に配慮した栽培方法を実践していく」、大谷さんは「高品質な町産のブドウを全国に提供できるよう、しっかりとした技術を身に付ける」、藤原さんは「子どもたちに農業の楽しさを伝えられる企画を打ち立て、将来を担う農業者たちを増やしていけるようにしたい」と抱負を語った。
奨励金は、地域農業発展の中核者の育成など目的に、財団では40歳以下、町では就農時に40歳以下だった専業農業者を対象に交付している。