岡山県美作市と津山市で撮影された、松下奈緒さん主演の映画「風の奏の君へ」の全国公開(6月7日)を前に、特別上映会(津山文化振興財団、津山街デザイン創造研究所共催)が12日、岡山県津山市山下の津山文化センターで開かれた。松下さんは映画のために書き下ろした楽曲をピアノで生演奏した。
作品は、美作市在住の小説家・あさのあつこさんが書き下ろした小説を原案に、美作地域で少年時代を過ごした美作市出身の大谷監督が映画化。古里への限りない郷愁と慈しみが、美作の情緒あふれる風景に重ね合わせつづられている。ピアニストでもある主演の松下さんは、劇中曲を創作し、演奏シーンではピアノを披露している。
今回、松下さんは作品中で着ていたワンピース姿で登場すると、オープニングテーマ「小さな奇跡」をソロで演奏。続いてピアノとバイオリン、チェロの三重奏でエンディングのタイトル曲「風の奏の君へ」を披露した。メロディアスで切ない楽曲の演奏に、満席の客席から惜しみのない拍手が送られた。
松下さんは「12年前に津山でコンサートをしたことがあり、津山では3回目の演奏です。祖母が津山に住んでいて、子どものころから知っている、素敵なまちです」とあいさつ。「曲作りをする上で、撮影が始まる前に現地に行って、見たことのない風景や景色をどんどん知り、感動していくというプロセスと、都会には吹いていない風を感じることを大切にしました」と振り返った。そのうえで「幼い頃からやってきた、弾いて、演じて、歌ってということをこの作品が全てかなえてくれました。美作への愛しい思いや大切な風景が散りばめられています。岡山の皆さんがまだ知らない岡山があるのをこの映画を見て、知っていただけるとうれしいです」と語った。
大谷監督は「素晴らしい演奏だった。泣きそうになるのをこらえながら聴いていた。松下さんでないと成立しなかった作品。感謝しかない」とあいさつ。「映画を撮ることだけ考えていたけれど、15年前、自分の田舎と向き合ってみようかなと思ったのがこの作品のきっかけ。改めて美作地域で過ごした8年間が、かけがえのない日々だったことを実感した」と振り返った。そのうえで「全国の人たちに美作地域の魅力を知ってもらうきっかけになってほしい。改めて美作地域の皆さんに観ていただいて、皆さんの心の中で完成していただきたい」と語った。
特別上映会は第3回津山国際環境映画祭の一環として開催。前日には美作市湯郷で関係者向けの試写会が開かれていた。
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