第27回「さら山時代祭」が10日、岡山県津山市平福の皿川公園で開かれた。後醍醐天皇が出雲街道を通って隠岐へ配流される様子を再現した「時代行列」をはじめ、多彩な催しが来場者を楽しませた。
園内には特設ステージが設けられ、明星幼稚園の園児が見事な竹太鼓の演舞を見せた後、佐良山小児童が勇ましい鼓笛の演奏と踊りで盛り上げた。時代行列では津山東高、佐良山小の男女計15人が、華やかな衣装の後醍醐天皇、武者、女官らにふんして登場。短歌を詠み、蹴鞠(けまり)を披露した後、家族連れらでにぎわう会場の周りをゆっくりと練り歩いて注目を浴びた。
後醍醐天皇役を務めた鏡野町の小原慶幸さん(16)=津山東高2年=は「大勢の前で高貴な雰囲気を保ちながら歩くのは緊張したけど、津山にはおもしろい祭や歴史があることを知る機会にもなった。参加してよかった」。
家族と訪れていた鶴山中2年・乾優斗君(14)は「来年もまた来ようと思えるくらい楽しい。時代行列のみなさんもかっこよかった。自分もいつかは参列できたらうれしい」と話していた。
このほか、場内には町内会や地域団体によるグルメ屋台が並び、平福公会堂では地元の遺跡や古墳の発掘の様子と出土品を収めた写真の展示が行われた。
同祭は後醍醐天皇が通ったと伝わる佐良山地区の歴史と豊かな自然を生かして地域活性化と交流を図ろうと、地元の各種団体でつくる実行委が主催している。