美作高校創立110周年を記念し、同校=岡山県津山市山北=で12日、卒業生で「書道家・恵」(Kei)の名で活動する国枝恵子さん(63)による書の贈呈式と講演会が開かれた。
国枝さんは津山市出身で、兵庫県尼崎市在住。昨年、初出展したニューヨーク国際書道展で準優秀賞を受賞し、「世界の注目アーティスト100」にも選ばれるなど、国際的に評価を高めている。
寄贈された書アートは「志氣(しき)」。院庄林業から提供されたヒノキを用いた。パネルは縦194センチ、横130センチ。新たに完成した白櫻ホール前に展示される。
贈呈式では、国枝さんが早瀬直紀校長に目録を手渡し、「志を掲げる心と、それを静かに支え続ける氣、生き方や姿勢を大切にしてほしい。生徒たち一人一人が目に見えない時間を重ね、自分の芯を育ててほしい」とあいさつした。美作学園の藤原修己理事長と早瀬校長は「素晴らしいOBに恵まれ、110年の歴史と伝統の重みを改めて感じた。大切に活用したい」と感謝した。
除幕式後には、2年生現代創造コースの生徒16人を対象に講演会が行われた。国枝さんは、「『志』は夢や目標を表すが、それだけでは人は折れてしまう。うまくいかない時や評価されない時に支えになるのが『氣』。どんな姿勢で生き、どう続けるかという生き方そのもの」と語った。
作品に用いたヒノキについてもふれ、「すぐに大きくならなくても、見えないところで年輪を重ね、折れにくく育つ。結果が出ない時間をどう生きるかが、後に自分の芯になる」と生徒たちに呼びかけた。
また、自身が62歳でニューヨークでの展示に挑戦し、63歳で本格的に活動を始めた経験を紹介。「才能があったから続けられたのではない。たくさんの人に支えられ、たくさんのご縁をいただき、今がある」と振り返った。
最後に「うまい人はたくさんいるが、続ける人は少ない。年齢に関係なく、自分の志と氣を信じて歩んでほしい」とエールを送り、生徒たちは真剣な表情で聞き入っていた。

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