木漆芸家・デービッド・ディロングさん(41)=岡山県苫田郡鏡野町大町=の作品展「光を楽しむ」が岡山県勝田郡奈義町高円のそばカフェ木楽ギャラリーで開かれ、轆轤挽(ろくろび)き、漆塗りによる意欲作に来場者が見入っている。30日まで。
木地師の手仕事を模索して10年になる中、カエデ、ケヤキなどのむく材を使った近作約150点を出展。
今年の第63回日本伝統工芸中国支部展で「鳥取県知事賞」を受けた「栃大鉢」をはじめ、平皿やボウルなど多彩な器が並び、どれも漆の渋い光沢の中に美しい木目が浮かぶ。沈金や繊細な彫りに色漆の絵柄を施した器、素地の風合いを生かしたオイル仕上げの実用的な小物もある。
デービッドさんは「津山の小椋芳之さんら伝統の技を受け継ぐ先輩たちに助言を受け、大きな賞をいただくまでにステップアップできた。光に浮かぶ漆と木目の表情、深い味わいを見てほしい」と話している。
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栃大鉢をはじめ漆塗りの作品とデービッドさん
木漆芸家・デービッド・ディロングさんの作品展「光を楽しむ」/岡山・鏡野町