岡山県苫田郡鏡野町在住の備前焼作家・定久秀男さん(69)の作品展「69(ロック)何んじゃあ・こりゃぁ展」が5日から9日まで、同町竹田のペスタロッチ館で開かれた。ゆがみや割れがある作品ばかりを集めた摩訶不思議な生命力あふれる「定久ワールド」が来館者を魅了した。
花瓶や皿などのうつわとオブジェ約50点と、モノクロの写真作品約20点を展示した。
ガンジス川に見立てたもみ殻でつくった大河に、アジア諸国の影響を色濃く受けたという土着的な表情の作品を流れに合わせて並べた。生命が生まれ死に海にかえるまでが優しくも力強く表現され、来館者は足をとめてじっくりと鑑賞していた。
また、県北で撮影された「特別な日常」のモノクロ写真が「定久ワールド」を引き立てた。定久さんは「割れは恥ずかしいことだけれど、完成されていないことが面白い。未完の美しさがある」と話していた。