ハンドバッグ製造の末田工業所(岡山県津山市川崎、末田平社長)が、新型コロナウイルス感染拡大のため医療現場で不足しているフェイスシールドの製品化に乗り出した。改良を重ねた試作品がほぼ完成し、来月中旬の製造開始を目指す。
感染者の治療に命がけであたる医師らの現状を報道で聞く中、職人として役に立ちたいと一念発起。医療関係者にアドバイスを受けながら、帆布や革を加工する機材とノウハウを応用した。
最終段階の試作品は、顔の側面も覆える内科用(縦30センチ)と前面のみで小ぶりな歯科用(縦23センチ)の2種。油圧裁断機で打ち抜いた透明塩ビ板にプラスチックのバンドと先端の目印を工業用ミシンで縫い付け、額にあたる裏部分にスポンジを取り付けている。
これから専門業者に抜き型や素材を発注し、日産200個を目標に製造。廉価で提供しようと、材料費と最低限の工賃から1個500円前後を想定している。
職人歴40年以上の末田社長(70)は「バッグはネット販売が堅調だが、今はそれどころではないと思った。医師会や歯科医師会などを通じて県北から優先的に供給し、今後の感染対策に備えてもらえたら」と話している。
問い合わせは、末田工業所(℡0868-26-1094)。
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フェースシールドの試作品と末田社長
末田工業所、新型コロナ対策用のフェイスシールドの製品化に乗り出す/岡山・津山市
- 2020年4月22日
- 経済・産業