残暑が厳しい中、岡山県美咲町の大垪和西地区で稲刈りが始まった。標高約400メートルにある”千枚田”は黄金色に色付き、辺りにはコンバインのエンジン音が響いている。
早生の「あきたこまち」を栽培する北山昇さん(85)方の田んぼ(約1.4ヘクタール)では26日に作業を開始。高齢の父親に代わり長女の鈴鹿美紀恵さん(58)と夫の昭宏さん(57)が近所の人たちと共同で励んでいる。今年は雨が適度に降るなど天候に恵まれ、たわわに実ったという。9月中旬までを目途に進めている。
美紀恵さんは「山から流れる天然水の栄養をたっぷり含んでいておいしいお米に育っていると思う。できるだけ早く収穫したいと考えているので、雨が降らないことを祈る」と話していた。あきたこまちが刈り終わると、コシヒカリの収穫が始まる。
同地区は、現在約750枚の棚田が連なる風光明媚な場所で、休日にはカメラマンや愛好家たち姿もみられる。農水省から1999年に「日本の棚田百選」、昨年には「つなぐ棚田遺産〜ふるさとの誇りを未来へ〜」の認定を受けた。