江戸時代から伝わる伝統の地下芝居 横仙歌舞伎「春」 臨場感たっぷりに/岡山・奈義町

芸術 「鬼一法眼三略巻 菊畑の段」の一場面=岡山県奈義町で
「鬼一法眼三略巻 菊畑の段」の一場面=岡山県奈義町で
         

 県重要無形民俗文化財・横仙歌舞伎の四季の公演「春」(同歌舞伎保存会主催)が29日、岡山県奈義町中島東の松神神社で開かれた。江戸時代から伝わる伝統の地下(じげ)芝居が、駆け付けた町内外のファンを魅了した。

 町民でつくる横仙歌舞伎保存会と地元住民による中島東松神座が出演した。江戸時代に建てられその後、境内に移設された歌舞伎舞台で、子どもから大人まで稽古の成果を披露した。

 保存会は「鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)菊畑の段」を上演。牛若丸(源義経)が兵法の極意が書かれた三略巻を盗むため、平家に仕える吉岡鬼一法眼の屋敷に忍び込むシーンで、鬼一の娘・皆鶴姫らを交えた立ち回りを臨場感たっぷりに演じた。

 続いて中島東松神座が江戸時代中期の赤穂事件を題材にした「仮名手本忠臣蔵七段目 一力茶屋」を披露し、主君のかたき討ちを密かに狙う大星由良之助の本心を探る部下とのやり取りなどが人気の一幕で、見せ場ごとにかけ声や拍手が起こり、会場を沸かせた。

 津山市野村から訪れた奥田福泰さん(73)、瑞江さん(72)夫婦は「よく練習されていて、素人離れした演技に感動した。現代風にアレンジしたセリフも面白く、これからも地元で継承されてほしい」と話していた。

「仮名手本忠臣蔵七段目 一力茶屋」の一幕
「仮名手本忠臣蔵七段目 一力茶屋」の一幕


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