宇田川榕菴ゆかりの、日本で初めて上演されたとされるオペレッタ「二人の猟師と乳売り娘」が22日、津山文化センター=岡山県津山市山下=で津山で79年振り2回目、国内4回目の再演を果たした。市民らの手で「蘭学津山」への情熱が込められた舞台が華々しく繰り広げられ、来場者約500人を魅了した。
モーツァルト作曲のオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」と同時上演で、コーメプリーマ04を中心に演奏者を含む総勢15人が出演した。「二人の猟師と乳売り娘」は現代風に演出され、一獲千金を夢見る二人の猟師とミルク売りの少女、そして黙役の熊が織りなす風刺の効いた恋愛喜劇を情感たっぷりに披露し、会場からは惜しみのない拍手が送られた。
親子2人で鑑賞していた会社役員・筒井笙子さん=津山口=は「さつばつとしたニュースが多いなか、美しい歌声に癒された。歴史文化のまち津山の底力を見た思いです」と話していた。
津山芸術文化博参加プログラム「榕菴と西洋音楽」として津山文化振興財団の主催で開催。当日は宇田川榕菴の命日で、会場では津山榕菴珈琲研究会が榕菴珈琲を販売。指揮者には、榕菴より1歳年下の津山藩の蘭学者・箕作阮甫の第6代末えいの藤岡幸夫さんを迎えるなど、「蘭学津山」を改めて強く印象付ける催しとなった。
