津山信用金庫(山下)は第36回「つしん景況レポート」を発表した。作州の今期(昨年10~12月)の景況天気図は「雨」。業況判断DI(※メモ)はマイナス15・4(前期比13・6㌽増)で前期の水準から改善した。コロナ禍の第3波に見舞われている影響から、来期(1~3月)は再び悪化してマイナス22・3の「雨」と予想。
地域別DIの今期は、津山鏡野がマイナス17・9(前期比11・1㌽増)、真庭マイナス1・9(同23・1㌽増)、美作勝央マイナス22・7(同10・6㌽増)といずれも前期より上昇。
業種別DIの今期は、製造業、建設業、不動産業、サービス業、小売業が前期比で上昇し、卸売業が下降した。
雇用判断DIは、マイナス30・7(前期マイナス6・9)と悪化し、来期も仕事量の回復が見込めないことからマイナス29・5の予想。
調査先企業で、建設業のうち住宅建設業者では「下請け業者間では地域内で仕事がないことが共通認識。以前なら閑散期に受注していた住宅メーカーの仕事もなく、2021年は相当厳しい状況になる」、自動車小売業では「コロナの影響で車の注文を取り止める人もおり、客足がピタッと止まった」、飲食料卸売業者では「作州でクラスター発生後キャンセルが相次ぎ、ホテルの宴会料理の食材などまとまった注文がなく非常に厳しい」などの声。一方、小売業では「津山西部では、大手家具チェーンの開店と5月予定のウエストランドオープンによる相乗効果で来店客数の増加が期待できる」「ネット販売ではリピーターによる反復購入がみられ、コロナ前とほぼ同程度の数量販売となっている」との声もあった。
今回の特別調査のテーマは「2021年の経営見通し」。▽自社の業況見通しについての回答は「良い」が19%で全国(6・5%)を上回り、「悪い」が38%で全国(65%)より低い。▽売上額の見通しについては「増加」が39%で全国(20・2%)に比べて製造、小売、サービス業が大幅に上回り、「減少」が30%と全国(49・6%)より低い。▽業況が上向く転換期について「すでに上向いている」が25%(全国9・6%)、「1年後」は25%(全国23・3%)、「改善の見通し立たず」が14%(全国18・4)だった。
同レポートは、3カ月ごとに信金職員が中小企業経営者から聞き取り調査して分析。今回は11月下旬~12月上旬に247社を訪ねた。
メモ
【DI】「良い」と回答した企業数の割合(%)から、「悪い」と回答した企業数の割合(%)を差し引いた値。
津山信用金庫(山下)は第36回「つしん景況レポート」を発表
- 2021年2月6日
- 経済・産業