第4回「津山国際環境映画祭」(美作の国映画プロジェクト主催)が6日、岡山県津山市山下の津山文化センターで開かれ、市内を舞台にした大谷健太郎監督(60)の新作「キセキが、はじまる。」がお披露目され、観客約500人が見入った。
上映時間は40分。俳優の林勇輝さんが務める主人公の映画監督が制作のために来津し、岸田敏志さん、三倉茉奈さんらが演じる地元住民と出会う中で、映画のストーリーを考えていくという内容。大谷監督が津山を訪れた時の実体験を基にしている。
城東地区の町並み、大隅神社(上之町)、サムハラ神社(加茂町中原)、内田縫製(新野山形)といった市民の身近なスポットや地元企業が映し出される中、俳優育成ワークショップ 「美作ノ国演技塾」の塾生たちの演技も光っていた。
上映後は伊原木隆太県知事と監督とのクロストークがあり、大谷監督は「大切な“何か”に気付いてもらえるように制作している。かけがえのない故郷、津山の魅力を地元の人たちに気付いてもらえたらうれしい」。伊原木知事は「自分たちが住んでいる場所で幸せや楽しみを見つけることの大切さを感じた。映画コンテンツを使った地域振興の取り組みが地元を盛り上げるだけでなく、若い人たちも積極的に参加する活動になってほしい」と語った。
映画公開に先立ち、津山出身のレゲエアーティスト・JーREXXXさんやDJ KAJIさん、ラッパー・$oraさんが登場し、主題歌「53号線」を歌い上げて会場を盛り上げた。
上河原の石橋千恵美さん(59)は「これから津山の未来を担う若い人たちに焦点があてられたシーンもあり、応援していきたいと思った」。JーREXXXさんらのファンで広島県から来た大元優輝さん(24)は「津山の人の温かい人柄が伝わる内容だった。尊敬しているアーティストが育った町を知ることができて良かった」と話した。
この日は大谷監督の代表作「風の奏での君へ」「推しが武道館いってくれたら死ぬ」も上映された。

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