津山市は14日、市出身で日本初の機関士・日下輝道氏(1854〜1924年)の関係資料28点が、奈良県生駒市の子孫にあたる家で見つかったと発表した。黎明期の日本人機関士像を明らかにする鉄道史の中でも重要な資料という。新魚町の市立図書館で11月1日まで展示している。
今年は日本に鉄道が敷設されて以来150年の節目で、14日は鉄道記念日にもあたる。見つかったのは直筆の履歴書、辞令、命令書、勲章、賞状、肖像写真など。鉄道遺産を研究している就実大学特任教授の小西伸彦氏(64)=総社市=が発見した。
明治期の日本人最初の機関士は6人おり、これまで名前以外の詳細な人物像は不明だった。今回の資料により、そのうち日下氏の生涯を詳しく知ることが可能になった。
上之町で津山藩士・日下休治郎の長男として誕生。神戸鉄道局で外国人から指導を受け、1879(明治12)年に機関士になり、京都―神戸間を初めて運転。その後、勤続40年の表彰を受けている。資料は子孫宅で「家宝」として大切に守られているという。
津山と鉄道を結びつける新資料の発見に、定例会見で谷口圭三市長は「今後の研究により、産業遺産として価値づけられることが期待される」と述べた。
p
明治12年に機関士になったことなどが記された履歴書