戦後の県北画壇で活躍した洋画家・日原晃さん(1910年〜97年)の回顧展が山下の津山文化センターで開かれ、味わい深い油彩の大作が来場者を魅了している。11月6日まで。
初公開を含む48点を展示。鏡野町上齋原や大山の風景、パリのの街並みなどがラフなタッチと重厚な色使いで表現されている。代表作「山陰の海」の連作は、暗い色調で一際存在感を放つ。このほか、愛用した絵筆やパレットなども並び、訪れた人は、画業をしのびながらじっくりと鑑賞している。
教え子で画家の木村克朗さん(80)=滋賀県大津市=は「画面に身を投げ込むように描く姿が忘れられない。時代が変わっても色あせていない魅力を若い世代にも感じてほしい」と話している。
日原さんは、日本大学芸術学部で寺田万次郎、柳亮に師事。自身の制作の傍ら自宅に開設した「こどものアトリエ」では優れた指導力で多くの後進を送り出した。
市内4つの私設美術館でつくる「つやまアートミュージアムユニット」が主催。
回顧展では毎週日曜日午後2時から美術講師との絵画巡りもある。午前10時〜午後5時(木曜休館)。入場無料。
問い合わせは、同センター(☎227111)。
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日原さんの作品に見入る愛好家
津山文化センター 日原晃さん 洋画家回顧展