津山産小麦の周知を図り、岡山県津山市内で生産されたパン用小麦「せときらら」の小麦粉で作ったミニ揚げパンが14日、草加部学校食育センターが担当する市内中学校4校の給食で試験的に提供された。
JA晴れの国岡山津山基幹アグリセンターが事務局となっている津山産小麦生産普及連絡協議会が初めて実施。市内でパン製造を手がけている「てづくりのパン アン」=上之町=「ミュッフェ」(同)「津山ひかり学園ひかりの丘」(川崎)が協力している。
今回は「津山のほほえみ」ブランドの小麦粉を活用。もちもちとした食感と甘い香りが立つのが特徴で、食品添加物を使用せずに作られ、津山東、中道、勝北、加茂中学校の生徒と教職員分の1071食が各校に振り分けられて配送された。
このうち津山産小麦の生産地の一つである勝北地域にある勝北中では全校生徒134人がランチルームで実食。この日は子どもたちのリクエストに応えた人気メニューがそろっており、同じく市産小麦で作った麺が入った「野菜たっぷりしょうゆラーメン」や、「糸寒天のあえ物」とともに配膳された。揚げたてのパンにきな粉と砂糖をまぶしており、おいしそうにかぶりつく生徒たちの姿が見られた。
3年生・小川優奈さん(15)は「いつもよりもっちりとした食感が良く、食べ応えがあった。また食べてみたいし、地元で生産された小麦のパンがみんなに食べてもらえるのはうれしい」。住本理玖人教諭(26)は「油っぽさが無くてふっくらしており、豊かな風味が感じられておいしかった。小麦が学校の近くで生産されていることもあり、生徒たちが身近にいる生産者の顔を思い浮かべることができ、食べ物の大切さと周囲への感謝の気持ちを高めるきっかけになったと思う」と話した。
市内では2023年度2学期から給食用の麺類に津山産小麦「ふくほのか」を使っている。パンの製造には必要な量の確保といった課題が残ることから、市ビジネス農林業推進室は生徒と教職員のアンケートや製造者の声をまとめて今後の方針を考えていくとしている。来年2月には戸島学校給食センターが担当する中学校4校でも同様の実証実験を行う。
