津山藩御用絵師・鍬形蕙斎の傑作「江戸一目図屏風」(県重文)が山下の津山郷土博物館で5年ぶりに公開され、1809(文化6)年に描かれた鳥瞰(かん)図に来場者が見入っている。5月8日まで。
6曲1隻の屏風絵(縦176センチ、横353センチ)は、手前に隅田川、中央に江戸城、奥に富士山を遠望する構図で、視点が重なることから東京スカイツリーの展望デッキには複製を常設。鳥瞰図であるとともに日本橋、九段坂、芝増上寺など特定できる建物や地名が600以上ある「名所絵」の魅力も併せ持ち、目を凝らせば往来する人々の姿、動植物などが略画技法によって生き生きと描かれている。
さらにデジタル技術で作品の世界観を表現した映像「江戸一目図漫遊記」(東武タワースカイツリー提供)を土日曜、祝日限定で放映。このほか一目図の布石とされる木版画「江戸名所の絵」、「津山景観図屏風」(市重文)といった?斎作品を併設している。
兵庫県姫路市の会社員・大森清博さん(46)は「初めて見たが、名所や人物までものすごい量の情報が描き込まれていて圧巻。部分的なデフォルメの面白さもあり、CG映像も相まって感動した」と話した。
小郷利幸館長は「作品保護のため限られた期間しか出せない名作。この機会に現物を鑑賞し、映像、他の作品とともに”蕙斎ワールド”を堪能してほしい」とPRしている。
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江戸一目図屏風に見入る来場者
津山郷土博物館「江戸一目図屏風」公開
- 2022年4月5日
- 芸術